多くのTTS API比較記事は、実際に音声製品を作ったことのない人によるもの。同じ6社を並べて料金表をなぞり、「勝者」を決めるだけ。本記事は違います。なぜなら本当に価格差が効いてきて、その開きは一般的な比較記事が示すよりずっと大きいからです。
ElevenLabsの請求額が想定の3倍になったり、「クレジット」が音声何分ぶんなのか計算に悩んだことがあるなら、このページの意図はすぐにわかるはずです。
要約:Speechify AIのSIMBA 3.0は独立機関Artificial Analysis TTSランキングで76モデル中7位—ElevenLabs、Google、Microsoft、Amazon、OpenAIより上—かつScaleプランで100万文字6ドル。無料で始める speechify.ai →

What you're actually comparing
本当に比較すべきポイント
「どのTTS APIが、いちばん良い音声をいちばん安く出せるか?」と聞く開発者は、たいてい次のどちらかを指しています:
コンテンツ制作 — 大量の音声ファイルを生成。オーディオブックやeラーニング、ポッドキャスト台本など。品質重視でレイテンシーは重要でない。できるだけ安く、かつ多様な声を使いたい。
リアルタイム音声エージェント — 会話型AI、カスタマーサポートボットや音声アシスタントなど。レイテンシー(300ms未満)が非常に重要で、会話全体1分あたりの実コスト(TTSだけでなく)をきちんと把握したい。
用途によって価格比較の軸はまったく変わるのに、多くの比較記事はここを混同しています。本記事では両方のケースを分けて解説します。
How voice quality is actually measured
音声品質を正しく測るには
最も信頼できるベンチマークは Artificial Analysis Speech Arena です。人間によるブラインド評価で76モデルを比較。カスタマーサービス、デジタルアシスタント、知識シェア、エンタメなど用途別に評価され、ランキングは毎日何度も更新されます。
2026年5月時点で、Speechify SIMBA 3.0が世界7位(Eloスコア1,159)。主な順位は次の通りです:
- ElevenLabs Flash v2.5・Multilingual v2
- Google Chirp / Neural2
- Microsoft Azure HD&Neural
- Amazon Polly(全ティア)
- OpenAI TTS・gpt-4o-mini-tts
- Cartesia、NVIDIA、Hume AI、Fish Audio
「ElevenLabsこそ品質No.1だ」というのは、正直いって2023年までの話。いまはランキングが現状をそのまま物語っています。
Speechify AI pricing
Speechify AIの料金
The free tier has a hard cap — no auto top-up, no surprise charges. You either upgrade or wait for the next billing cycle.
無料プランは上限制で、自動チャージや予期せぬ請求は一切ありません。上限に達したらアップグレードするか、次回の請求日まで待つだけです。
もっと再現しづらいのが音声エージェント料金。他社はプラットフォーム料+LLM+STT+TTSをそれぞれ別課金。Speechifyはすべて込みで、Pro $0.07/分、Scale $0.068/分、Enterprise $0.06/分。見るべき金額は1つだけ。トークン計算に頭を使う必要はありません。
有料プランはすべてボイスクローン・ストリーミング・SSML対応。いちばん高いプランに入らなくても使えます。
How the main competitors compare
主要競合との比較
ElevenLabs
ElevenLabsは長らく「品質リーダー」というイメージが強かったですが、2026年のArtificial AnalysisランキングではSIMBA 3.0が上位に入りました。その差は小さくなく、ElevenLabsはプランやモデル次第で5〜50倍高い料金にもかかわらず、独立ベンチマークではSpeechifyが上回っています。
料金面では、ElevenLabsのクレジット制は本当に分かりづらく、コスト見積もりも難解です。2026年5月の値下げ後でも、Flashモデルは超過利用時で約$50/100万文字。高品質なMultilingual v2モデルはCreatorプラン超過時で最大$300/100万文字。ボイスエージェントは$0.08/分ですが、ここにLLM課金が別途上乗せされます。
ElevenLabsの強み: v3は感情豊かなキャラクターボイスに強く、ゲームやボイスドラマ、小説読み上げなどに最適。同じような用途なら両方試す価値があります。ただしナレーションやAIエージェントのような用途では、もはや価格差を正当化できるほどの品質差はありません。
OpenAI TTS
OpenAI TTS
tts-1は一律$15/100万文字、tts-1-hdは$30/100万文字。サブスク不要で、すでにOpenAIを利用しているユーザーには扱いやすい料金体系です。
課題はプロダクト構造側にあります。プリセット9〜13音声のみでクローン不可。リクエストは4096文字までのため、長文は細切れにして処理し、あとで結合する必要があります。大量処理になればなるほど手間がかさみます。ボイスエージェント用途ではTTS/STT/LLMがすべて別請求です。
品質面でもOpenAIはSIMBA 3.0に届かず、100万文字あたりの実コストは2倍以上になります。
おすすめ用途: すでにあるOpenAI環境の中での試作やPoC。価格的にも品質的にも、本番運用の主力としてはあまり向きません。
Google Cloud TTS / Amazon Polly / Azure
Google Cloud TTS / Amazon Polly / Azure
ニュートラル音声で100万文字$14~16。大手のインフラ基盤に乗れ、Azureは140以上の言語に対応するなど、堅牢性は申し分ありません。
品質ランキングはSIMBA 3.0には及ばず、標準プランではボイスクローンも不可。エージェント用途にしたい場合は、自分で周辺を組み上げる必要があります。
月5,000万文字以上使い、かつ対応言語の幅が最重要ならクラウド系も有力候補。それ未満のボリュームであれば、Speechifyのほうが安くて高品質です。
Murf AI
Murf AI
MurfのFalconモデルは$10/100万文字。企業ナレーションやeラーニング向けで、安定感重視のプロダクトです。音声200以上/20言語以上に対応。ボイスエージェント製品はありません。
Play.ht
Play.ht
サブスク課金(Creatorで月$39/5万ワード)。APIを大量に回すとすぐに高額になります。クリエイター向けツールとしては良いものの、業務用APIとして見ると割高です。
The pricing gap, in numbers
価格差を数字で見る
Pricing from public pages, June 2026. Artificial Analysis rankings as of May 2026 — leaderboard updates daily.
2026年6月時点の公開情報に基づく価格。Artificial Analysis最新版は2026年5月時点のもの—ランキングは毎日更新。
Decision guide
選ぶときのガイド
独立評価で見たコスパ最重視。 SIMBA 3.0は世界7位で100万文字6〜10ドル。上位10モデルのなかで、この価格帯に並ぶものはありません。
音声エージェントを作り、請求をシンプルにしたい。 SpeechifyはLLM/STT/TTS/電話代すべて込みの分単価。VapiやElevenLabsで明細が細かく分かれて困った人には、実務的な解決策になります。
多様な声が必要。 1,500種類以上・30か国語対応。ボイスクローンも月10ドル〜利用できます。
ElevenLabs v3は、感情表現の演技が主役なら検討の価値あり。 ゲーム・小説・キャラ系コンテンツでは、両者で実際のプロジェクトに当てて比較を。本番用途の多くでは、すでに顕著な差はありません。
Getting started
はじめかた
APIは標準的なRESTで、最初のリクエストまでは5分もかかりません:
- 無料アカウント作成
- — クレカ不要
- コンソールでAPIキーを取得
- POST /v1/audio/speech
- でテキスト・声ID・フォーマットを送信
- 全ドキュメントは
- docs.speechify.ai
無料枠は5万文字+音声エージェント60分。ここに到達するまで料金は一切発生しません。

